2007年07月17日

口腔ケアの必要性


口腔ケアはなぜ必要でしょうか


要介護者も、最低1日1回の口腔清掃が必要です。
ご自分でできる方には洗面所への誘導や声かけを行ってください。
介助が必要な方には、口腔清掃を介助してください。
また、口の中の状態をチェックしてください。


● 口臭は?
● 歯ぐきから出血する?
● 入れ歯がおちる?
● 固いものが噛めない?
● 口の乾燥?
● 声がかすれる?
● 食事のときにむせる?


要介護者の口腔ケアは、むし歯や歯周病の予防に限らず、肺炎予防や口腔機能の維持のためにも必要です。胃瘻(いろう)や経管(チューブ)栄養で、口を使っていなくても口の中は汚れますので、そのような方も含めて、全ての要介護者に口腔の清掃は必ず行いましょう。


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誤嚥すると必ず肺炎になるわけではありません。食物と同時に口腔や咽頭の細菌をともに誤嚥することが肺炎の発症に強く関係していると言われています。口腔ケアにより細菌を減少させることが予防につながります。


(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)

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2007年07月23日

口の構造・役割・疾患

<口の中はどうなっているの?>


口の中


口を構成している主なものに歯・舌・口唇・口蓋(こうがい)・頬などがあります。
口腔の入り口は上下の口唇からはじまり、左右の側面は頬、口腔の底には舌があり、歯肉(歯ぐき)には歯が生えています。
上方は口蓋(上あご)で、前方には硬い硬口蓋が、後方には軟らかい軟口蓋があり、その後部中央には口蓋垂が垂れ下がって、奥の咽頭へとつながっています。


<歯の構造 −硬組織とは?−>


歯の構造

歯周組織


歯には硬組織と歯髄が存在します。
硬組織にはエナメル質と象牙質とがあり、また、中には神経や血管・リンパ管が通っています。
エナメル質は、歯冠(歯ぐきの上に出ている部分)の表面を被っている人体の中でもっとも硬い組織で、象牙質は歯冠と歯根の大部分を占めるエナメル質より柔らかく痛みを感じる組織です。
セメント質とは、歯ぐきの下に埋まっている歯根の表面を被っている骨と同じくらいの硬さの組織です。エナメル質・象牙質・セメント質を歯の3大組織といいます。


(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
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2007年07月30日

口の構造・役割・疾患2


<う蝕(むし歯)>


むし歯の進行


エナメル質にとどまっているむし歯をC1といい、まだ、痛みを感じることはありません。
むし歯が象牙質まで進行した状態をC2といい、冷たいものや甘いものがしみるなどの症状があらわれる場合が多くなります。むし歯が歯髄(神経)まで進行したものをC3といい、熱いものがしみたり、炎症を起こすとはげしい痛みをともないます。虫歯が更に進行し根しか残っていない状態をC4といい、炎症が根の先まで進行しているので、歯肉が腫れることがあります。


う蝕を放っておくと


う蝕を放っておくと


むし歯を治さず放っておくと細菌がむし歯の穴から歯の中に侵入し感染を起こします。初期には冷たいもので痛みを起こしますが、炎症が歯髄全体に広がるにつれて熱いものがしみたり、ズキズキ痛んだり、噛むと痛むようになります。



歯肉膿瘍


さらに放っておくと、歯髄が腐ってしまい、細菌は根の先から外に出て顎の骨が感染し、根の先に膿がたまるようになります。
むし歯が進行し根の先に膿がたまり歯肉が腫れた状態を歯肉膿瘍といいます。


<健康な歯肉と歯周病の歯肉>



健康な歯肉をみてみよう

健康な歯肉


健康な歯肉はピンク色をしているのに対し、歯周病になると赤くなってきます。
歯と歯の間の歯肉の形は、健康な場合は、鋭角に尖っていますが、歯周病では丸く腫れています。
歯肉の固さは、歯周病になると柔らかくブヨブヨしてきます。
これらの変化は歯肉に炎症が起こっているためで、歯磨きで歯肉から出血するようなら歯周病にかかっている可能性があると考えられます。


歯周病はどのように進むのでしょうか


歯周病の進行


歯肉炎では歯肉が腫れて歯肉溝が深くなります。歯肉炎が進行してしまうと、歯槽骨が溶け始め、歯周ポケットができ歯周炎となります。ポケット内は歯周病菌が生息しやすい環境で、歯槽骨がより深く破壊され、歯を支える骨がなくなると歯が動き始めて、最後には自然に歯が抜けることもあります。


(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
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2007年08月07日

口腔ケアの基本

< 口腔ケアの基本は歯ブラシ >

歯ブラシ



高齢者の歯ブラシ選びは?


歯垢




口腔ケアの基本は歯ブラシによる歯磨き(ブラッシング)です。
その目的は、歯磨きにより、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)を除去することにあります。

歯磨きは継続することが重要で、歯肉から出血しているような場合でも、継続することにより症状が改善する場合が多く見られます。

口腔ケアを行う時には、汚れがどこにあるのか観察しながら行います。脳卒中で麻痺のある方では、麻痺側の歯ぐきと頬の間に食物が停滞しやすい(食物残渣)ので、そのことを意識して口腔内を観察し清掃します。

また、入れ歯がある場合は、必ず入れ歯をはずして、歯と入れ歯の両方を清掃するようにします。



汚れた前歯

食物残渣

麻痺側に食物がたまる



(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
タグ:介護 歯科
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2007年08月20日

歯の清掃

< 歯磨きのポイントは? >


虫歯


歯については、最も汚れがつきやすい部分は、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、奥歯のかみ合わせの面と、入れ歯がある場合は引っかけのついている歯ですので、そこを意識して清掃します。


視野の確保


介助磨きの場合、右利きの場合は、左手で唇や頬の粘膜を引っ張り、磨こうとする面を良く見えるようにして右手でブラッシングします。



歯磨き


また要介護者の中には、ブラッシングをいやがられる方もおられますが、そのような場合は


1、過剰な力でみがいていないか


2、上唇小帯や頬粘膜を傷つけていないか



などに注意します。

介護者の歯



または歯ブラシの硬さにも注意しましょう。写真のように、歯肉の炎症がひどい場合はやわらかめの歯ブラシで清掃します。本人がみがく場合、姿勢や歯ブラシの改良により磨きやすくなる場合があります。柄を太くして持ちやすくしたり、腕が上がらない場合は柄を長くしたりします。


(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
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2007年08月27日

歯の清掃2

< 歯ブラシの工夫・改良法 >



歯ブラシの改良は以下のような工夫がなされています。


1、歯ブラシの柄の部分を太くする
  (スポンジや水道のホースなどを利用)


2、歯ブラシの柄の角度を変える
  (アルミホイルで毛先の部分を包んで、柄の部分を熱して曲げる)


3、手が上がらない場合、柄の部分を長くする
  40cm程度にすることもあります
  (割り箸やプラスチックの中空の棒、即時重合レジンなどを
   利用して延長)



※個人に合ったものを作るには歯科医師や歯科衛生士に相談して下さい


歯ブラシ


歯ブラシの工夫・改良


●市販の歯ブラシだけできれいにするのは困難です。
 その人に合った歯ブラシに改良してみましょう。

●コップや食器も工夫してみましょう。

歯ブラシの工夫



ワンタフトブラシ

歯間ブラシ



また、独立した歯や歯の間などの細かい部分を掃除する場合には、このようなワンタフトブラシや歯間ブラシも有効です。選び方や使用方法などは、歯科医師、歯科衛生士にご相談下さい。


(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
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2007年09月03日

義歯の清掃と管理

<ブリッジと有床義歯>


有床義歯

●取り外して洗える
●支えになる歯は削らない
●異物感があり、慣れが必要
●粘膜にも力を分散



ブリッジ

●セメント等で固定
●支えになる歯を削る必要あり
●装着感は良好
●歯に大きな負担



<有床義歯の構造>


有床義歯の構造



<入れ歯の着脱法>


入れ歯の着脱法


●クラスプのかかっている歯を指で押さえる
●クラスプにつめをかけて少しずつ動かす
●差し歯などにひっかかって動かない時は無理をしない
●はめる時は入れ歯の入る抜けた部分とクラスプが架かる歯を
 よく確認すること
●むし歯で歯が折れたり、自然に抜けたりしてクラスプに
 歯が架からないこともある



入れ歯は食器と同じです。一日一回(可能であれば毎食後に)食器を必ず洗うように、入れ歯も、必ずはずして歯ブラシや入れ歯専用ブラシなどで洗うようにしましょう。


<入れ歯の清掃>



入れ歯の清掃


●流水下で丁寧に洗いましょう
●水を張った洗面器の上で洗いましょう
●特に金具の部分を丁寧に洗いましょう
●入れ歯安定剤はきれいに除去しましょう
●裏側は汚れがたまりやすいので、丁寧に
●過度の力で握らないこと
 (ひびや破損の原因になります)
●歯磨き粉は義歯が摩耗するので使わないこと
●部分入れ歯の場合、部分入れ歯専用洗浄剤でないと止め金が
 腐食して折れやすくなるので注意が必要です
●割れたり、ひびが入っていたら、必ず歯科医師に
 相談してください



口腔のケアを行う時には、入れ歯の当たっている部分も注意してみてあげてください。食事の量が落ちた時なども、このような入れ歯の当たりを意識して口の中を観察してください。

入れ歯の清掃


(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
タグ:清掃 義歯
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2007年09月10日

舌・口腔粘膜の清掃

< 舌・口腔粘膜の清掃もしましょう >



舌

要介護者は、口腔内に長時間食物が残っていることも多く、舌と口腔粘膜には剥離上皮(はがれた口の中の粘膜細胞)が多くみられ、細菌の温床となります。


スポンジブラシによる清掃


スポンジブラシ

歯がない場合(無歯顎)であっても粘膜の清掃は必要です。この様なスポンジブラシが便利で、回転させて汚れを取るようにします。


クルリーナーによる清掃


クルリーナー
クルリーナー

また口腔内に痰などの粘性の分泌物が多い場合には、このような特殊な歯ブラシ(クルリーナー)も便利です。


口腔乾燥症

口腔乾燥については、患者が水分をとっているか、脱水がないかも含めたチェックが必要です。摂食嚥下障害があり、経管栄養や胃瘻(いろう)で栄養摂取されていて、口を使う機会がないと、口腔の廃用萎縮を起こし唾液の分泌も減少して口腔乾燥を起こすことがあります。口腔乾燥がさらに食物を飲み込みにくくすることがあります。


口腔乾燥症の口腔ケアは以下のように行います。
詳しくは歯科医師に相談して下さい。


1.口腔マッサージおよび唾液腺の刺激
2.咀嚼訓練
3.レモン水、冷水や氷を口に含む
4.人工唾液
5.保湿剤の使用
6.温感パック(唾液腺部)
7.歯みがき(回数を多く)


(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
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2007年09月18日

口腔機能の向上

< 口腔機能を高めるために >



口腔マッサージ

口腔マッサージ

口腔ケアの時に口腔マッサージ等を併用し、ケアの効果を高める


口腔機能が低下すると口腔内に食物が停滞し、口腔内が不潔になります。口腔ケアの時に、口腔マッサージなどを併用し、口腔の機能を高めるようにします。頬の動きが悪いと、歯と頬粘膜の間に食物が停滞しやすくなります。口腔内のマッサージを指や歯ブラシで行うことは、頬部の筋肉の機能向上に大きな役割があります。これらの機能が向上すれば、口腔内に食物が停滞することが少なくなり、口腔の清潔が保ちやすくなります。

(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
タグ:口腔 機能 介護
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2007年09月25日

口腔機能の向上2

< お口の体操 >


1、あいさつ

あいさつ
この1週間の生活の様子、歯みがき、口の体操などの実施状況を、まず聞いて、緊張をとる



2、深呼吸

深呼吸
大きく2〜3回深呼吸する



3、肩や首の運動

肩や首の運動
両肩を上・下に動かす。併せて、首を前後に回して、少しリラックス



4、口の体操

口の体操
「あんあん」と「いういう」を繰り返し、大きな声を出す



5、舌の体操

舌の体操
舌を前に出したり、引っ込めたりする。併せて左や右に動かす



6、頬の体操

頬の体操
頬をふくらましたり、へこましたりする



7、大きな声を

大きな声で
「パンダのたからもの」と唇と舌を使う言葉を大きな声で言う



8、唾液腺マッサージ

唾液腺マッサージ
両頬とあごの下をマッサージして唾液腺の開口部を刺激する



9、大きな声を出す
大きな声を出す
向い合わせに座り、お互いの手の平を合わせ、お腹から大きな声を出して「エイエイオー」と言う


(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
タグ:口腔 体操
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2007年10月01日

口腔ケアの考え方

< 口腔ケアを行うにあたって >



1、無理をせず、毎日継続する

口腔ケアが困難な場合にはいきなり口腔内に歯ブラシを入れずに肩から首にかけてマッサージを行い、次に口腔内に指をいれて、指で口腔内マッサージをします。(口腔乾燥がある場合は、保湿して行います)

スポンジブラシや小さ目の歯ブラシで清掃し、慣れてもらうようにします。

それでも困難な場合は、一度に口腔全体を清掃しようとせず、一日の中で数回に分けて、部分的に短時間で清掃するようにします。(いつも磨きやすい部分だけを磨いている場合が多いので、注意してください。)


2、日常的な口腔ケアと歯科医師、歯科衛生士による
  専門的な口腔ケアをうまく組み合わせると良い結果が
  うまれることが多いです


3、口腔ケアにおいても感染予防に注意しましょう。

介護者の手指を媒介として、経口感染が拡大する病気もありますので、ケアの時にはできるだけ手袋を着用することが望ましいと考えられます。


口腔ケアにより肺炎を予防したり、美味しく食べて、話す、表情をつくるなどの口腔の機能をいつまでも保つことができれば、要介護者のQOLは向上します。

(兵庫県歯科医師会 『介護者のための口腔ケア』より)
タグ:口腔 ケア
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